宇宙で最も重い天体ランキング！驚異の超巨大天体たち

宇宙で最も重い天体ランキング！
第10位：M87ブラックホール（太陽の65億倍）
第9位：TON 618ブラックホール（太陽の660億倍）
第8位：IC 1101（太陽の1000億倍）
第7位：NGC 1277（太陽の1700億倍）
第6位：エイベル2029銀河団（太陽の10兆倍）
第5位：大マゼラン雲（太陽の20兆倍）
第4位：アンドロメダ銀河（太陽の100兆倍）
第3位：かみのけ座銀河団（太陽の1000兆倍）
第2位：おとめ座超銀河団（太陽の1万兆倍）
第1位：UY放射状星（太陽の2400倍の直径）
想像を絶する規模

宇宙で最も重い天体ランキング！

宇宙には、想像を絶するほどの質量を持つ天体が存在します。今回は、観測されている最も重い天体をランキング形式で紹介します。それぞれの天体がどれほど巨大なのか、その驚異的な質量とともに詳しく解説していきます。

第10位：M87ブラックホール（太陽の65億倍）

ブラックホールといえば、2019年に史上初めて直接撮影されたことで話題となったM87のブラックホール。おとめ座銀河団の中心に位置し、質量は太陽の約65億倍にも達します。
このブラックホールは、降着円盤と呼ばれる超高温のガスを周囲にまとい、強力な重力によって光すら脱出できない領域「事象の地平面」を形成しています。また、M87のブラックホールは強力な相対論的ジェットを噴出しており、その長さは約5000光年にも及ぶとされています。

第9位：TON 618ブラックホール（太陽の660億倍）

TON 618は、現在観測されている中で最大級の質量を誇るクエーサー（活動銀河核）です。
このブラックホールの質量は驚異の太陽の660億倍と推定されており、中心部では強烈な重力によって周囲のガスが極端に加熱され、膨大な光を放っています。
TON 618は、私たちから約100億光年の彼方に存在し、形成されたのは宇宙がまだ若かったころ。これほどの巨大ブラックホールがどのように成長したのか、天文学者たちは今もその謎を解明しようとしています。

第8位：IC 1101（太陽の1000億倍）

IC 1101は、観測されている中で最も巨大な楕円銀河のひとつ。
この銀河の質量は太陽の1000億倍以上とされ、直径は約400万光年にも達します。これは天の川銀河の約40倍の大きさに相当します。
IC 1101の中心には超巨大ブラックホールが存在すると考えられていますが、その詳細はまだ解明されていません。宇宙の中で最も壮大な銀河の一つとして、IC 1101はまさに圧倒的な存在感を誇っています。

第7位：NGC 1277（太陽の1700億倍）

NGC 1277は、超巨大ブラックホールを持つ異例の銀河です。
通常、銀河の中心ブラックホールはその総質量の約0.1%程度とされていますが、NGC 1277では銀河全体の14%もの質量を占めています。その質量はなんと太陽の1700億倍。
この銀河は、宇宙の初期に形成された「レリック銀河（化石銀河）」とされ、現在の宇宙ではほとんど進化していない特殊な銀河です。ブラックホールの成長と銀河の関係を知る上で、非常に重要な観測対象となっています。

第6位：エイベル2029銀河団（太陽の10兆倍）

銀河団とは、複数の銀河が重力で束縛されている巨大な構造です。
エイベル2029は、その中でも特に大規模な銀河団であり、含まれる銀河の総質量は太陽の10兆倍に達します。
この銀河団の中心には、楕円銀河IC 1101があり、その中には超大質量ブラックホールが潜んでいる可能性が高いとされています。エイベル2029は、宇宙の大規模構造を理解する上で重要な天体の一つです。

第5位：大マゼラン雲（太陽の20兆倍）

大マゼラン雲は、私たちの天の川銀河の伴銀河（衛星銀河）であり、肉眼でも観測できる最も近い銀河の一つです。
その質量は約太陽の20兆倍とされており、銀河系と相互作用しながらゆっくりと合体しつつあります。
今後数十億年以内には天の川銀河に吸収されると考えられています。

第4位：アンドロメダ銀河（太陽の100兆倍）

アンドロメダ銀河（M31）は、天の川銀河に最も近い大型銀河であり、質量は太陽の100兆倍に及びます。
約45億年後には、天の川銀河と衝突・合体し、より巨大な銀河へと進化する運命にあります。
現在、アンドロメダ銀河は時速40万kmという驚異的な速度で接近しており、この壮大な銀河衝突の未来が天文学者たちの関心を集めています。